至近距離恋愛 -Hero-
「痛ってぇ〜……」


「雷!」


頬を押さえた怪人に駆け寄って、無理矢理仮面を外す。


「杏里……」


目の前に現れたのは、予想通り見慣れた顔だった。


「雷、大丈夫!?」


「何?そいつ、杏里の知り合いなん?マジでダサイねんけど」


そう言った稔が、雷を見下すように笑った。


「ほんまダサイわ……」


「やろ?ほら、行くぞ!」


稔は、ため息混じりに呟いたあたしに同意するように、雷を見ながら嘲笑った。


だけど…


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