至近距離恋愛 -Hero-
待ち合わせしているカフェに着くと、彼氏が先に来ていた。


「稔(ミノル)♪」


店内に入ってすぐに気付いたあたしは、窓際のテーブルでアイスコーヒーを飲んでいた稔の元に急いだ。


「遅いわ……」


彼は言いながら、不機嫌な表情を見せた。


「ごめん……」


約束の時間には、充分間に合っていた。


いつもは遅刻して来るのに、久しぶりに会う今日に限って稔の方が早いなんて、ツイていない。


彼は、相手が遅刻して来るのが許せないから…。


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