至近距離恋愛 -Hero-
「シャワー浴びて来る……」


「ん」


あたしが小さく言うと、稔は愛想無く答えながらテレビを点けてベッドに寝転んだ。


「ねぇ……」


この後、映画観に行きたい……


その気持ちを、言葉にしようと思った。


「……何?」


だけど、忙(セワ)しくチャンネルを替えながら返事をした稔は、あたしの方なんて見向きもしてくれない。


あたしは、稔にバレないように小さなため息をついた。


「やっぱりイイ……」


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