至近距離恋愛 -Hero-
最初、雷は呆然としていた。


それからしばらくすると、あたしの言葉の意味を理解したのか、彼の頬がみるみるうちに赤くなっていった。


「なっ、なっ……!何やねん、急にっ!!」


焦る雷を目の前にして、あたしの緊張は更に増した。


「だから……雷の事、ずっと好きやってんけどっ!!」


緊張し過ぎたせいで、何日も考えていた告白の言葉なんて、ちっとも出て来なかった。


幼かったあたしにとっては、これが精一杯の告白の台詞だった。


だけど…


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