Winter bell
朝食の支度を済ませて時計を見ると、7時を過ぎていた。


いつもなら、そろそろ晴稀が起きる時間。


少しだけドキドキしながら、彼が眠っているソファーに近付いた。


「晴稀?」


呼び掛けながら手を伸ばして、晴稀の体を揺すろうとした時…


「キャッ……!?」


あたしは彼に腕を引っ張られて、そのまま倒れ込んだ。


「おはよ……。羅夢……」


掠れた声で言った晴稀が、優しく微笑んだ。


「もう……。ビックリするやん……」


呆れ半分に言ったけど、晴稀に釣られて笑顔が零れる。


「ほら、起きて♪」


「キスしてくれたらな♪」


悪戯な笑顔の晴稀に、笑みを浮かべながらキスをした。


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