Virgin Snow
「なぁに?」


振り向いた澪さんは笑顔で、気まずい空気を変えようとしているのが何となくわかった。


「どこ行ってたんだよ?」


「買い物だよ!」


澪さんは、さっき持って帰って来た袋を見せた。


「……3時間も?」


眉をグッと寄せた廉さんの声が、更に低くなる。


「ごめんね……」


気まずそうに謝る澪さんがすごく可哀相で、庇ってあげたいのに…


あたしには、それが出来なかった。


「廉さん、まぁイイじゃん!無事に帰って来たんだし!」


あたしの代わりに、嵐が口を挟んで澪さんを庇った。


だけど…


「澪……。心配掛けてたんだから、ちゃんと理由を言え」


廉さんは嵐の言葉を無視して、低く言い放った。


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