Virgin Snow
一睡も出来ないまま迎えた、クリスマスイヴ当日。


せっかくのイヴで、嵐との記念日なのに、あたしの心は曇ったままだった。


午前中はずっとダラダラと過ごし、昼過ぎにベッドから出た。


昼食を済ませた後、メイクをして服を選んだ。


嵐と会う約束なんてしていない。


それなのに、彼を想いながらメイクをして服を選んでいる自分が、すごく情けない。


あたしは嵐への気持ちの大きさを、痛感していた。


彼氏持ちの女がイヴに女友達と遊ぶなんて、“虚しい”以外の何でも無い。


だけど…


一人で過ごすのは、もっと嫌だった。


せめて今日だけは、嵐の事を思い出して泣きたくない。


友達と一緒なら、嘘でも笑っていられるよね……


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