Virgin Snow
嵐と出会ったのは、高校の入学式だった――。


入試の成績がトップだった彼は、新入生代表の挨拶に選ばれていた。


「新入生代表、佐久間嵐」


「はい」


体育館の舞台に立って真っ直ぐと前を見据えた嵐に、あたしは一瞬で恋をしたんだ。


新入生代表と言うだけでも、充分目立っているのに…


嵐は他の新入生とは、明らかにオーラが違った。


モカブラウンに染めた柔らかそうな髪、耳には三つのピアス。


切れ長の瞳はすごく綺麗で、少しだけ大きめの手は全てを優しく包み込んでくれそうだった。


カッコイイ……


入学式をキッカケに、あたしの世界は少しずつ嵐で埋め尽くされていったんだ。


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