Virgin Snow
「Virgin Snow♪」


嵐はそう言って、あたしの唇にチュッとキスをした。


それから照れ臭そうにしながら悪戯っぽく笑うと、あたしの手を引いて歩き出した。


「ねぇっ……!今のって、もしかしてプロポーズ!?」


興奮しながら尋ねるあたしに、嵐が呆れたように笑った。


「バカ!そんな訳ねぇから!」


だけど…


嵐は、耳まで真っ赤で…。


やっぱり、プロポーズだったんじゃん!


そう感じたあたしの心は、すごくドキドキしていて…


そして、それ以上に温かくなっていた。


あたしを見た嵐が、少しだけ困ったように優しく笑う。


「泣き虫だな……。樹里は……」


彼は、指先であたしの涙を拭き取ってくれた。


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