Virgin Snow
表札には、ローマ字で“ODA”と書かれている。


オダ……?


あたしが嵐を見ると、彼は優しく笑ってゆっくりとインターホンを押した。


「はい?」


インターホンからは、男の人の声がした。


「あっ、嵐です」


「ちょっと待ってろ」


すぐにドアが開いて、男の人が出て来た。


カッコイイッ……!!


あたしは挨拶をするのも忘れて、その男の人に魅了されてしまった。


「澪(ミオ)、いますか?」


嵐が尋ねると、男の人はドアに寄り掛かって笑顔で口を開いた。


「いるけど……。寒いし、入れよ。彼女もどうぞ」


笑顔だと、益々カッコイイッ……!


興奮していたあたしは、状況を飲み込めないまま頭を下げて、嵐と一緒に中に入った。


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