君に捧ぐ‥



「うぇ……ふっ………」




ギュ…



「俺の見えないところで泣くなよ……バカ。」




「あ、らたぁ…っ……」



もう、何もかもがどうでもよくなってしまった。




新は、林檎の好きな人。


受け入れたら、もっと林檎との仲が悪くなってしまう。




頭では、わかっている。


わかっているのに…
本能が、新を拒絶することを許してくれない。




体が、
“寂しい”と。


“誰でもいいから抱きしめてほしい”と。
叫んでいる…




「新っ……あたしを、一人にしないで……」


すがりつくように、新を見つめた



「俺は、雛を見捨てないから…ずっと、そばにいる。」




あたしの唇と、新の唇が……



静かに、重なった。






あたしは、本能に勝てなかった。










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