紫陽花なアイツ

出て行ったドアをキョトンと見つめていたら、友達が入れ違いになって入ってくる。

「染井さん、もう決まった?」

「まだ…。」

「また明日もあるし、急がなくても大丈夫だよ!」

結局、今日はまだ決めない事にした。

葉介と帰るから、友達とは靴箱で別れる。

一人待っているのも寂しいから校庭へ歩く。

目立ちたくないから、フェンスの裏から行くと陸上部員が見えた。

高跳びをやっている最中で、真剣な空気が流れている。

「あ、葉介。」

呟いたその声は葉介には届かず、空気に消えた。




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