紫陽花なアイツ

あたしの言葉を聞いて、爽介は言う。

「ありがと。」

あたし達は足を止めなかった。

行けるだけ前に進んだ。

屋台の長い行列を見ながら。

爽介は沢山の思い出話を言った。

あたしの18年間は、こんなに沢山の思い出で埋め尽くされていた。

出口に来る時に、爽介は笑顔を見せた。

「今日は帰るけど、また来るからな!」

そう言って、爽介は神社を出た。

あたしは手を振った。

“また”今度ね!

と。





< 74 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop