苺のアップリケ
「こよみにはわかんないよ。」

ツヤツヤの唇を見つめて、知らないうちに顔を近づけていたらしい。

顔を上げたひよりの瞳が思ったより近くて驚いた。

長いまつげが黒く厚いのはマスカラなんだろうか。

ふわりと漂う甘い苺の香りが鼻をくすぐる。

「こよちゃん、近すぎ。」

強い瞳で睨み付けられてドキドキした。

「あ。ごめん。」

僕は慌てて体を離した。

…で、なんだっけ?

一生懸命睨み付けるひより。

何か言ってたような気がする。
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