苺のアップリケ
「…ひよ、さっき…ご」
「こよみ、今日遅刻だね。」

ひよりは大きな声で僕の言葉を遮った。

目をあげて隣を歩くひよりの横顔をうかがうと、うっすら赤くなっていた。

なかったことに。
でいいのかな?

おばさんの言葉じゃないけど、最近ひよりは扱いにくい。

「完璧遅刻だよ。だからゆっくり行けばいいよ。」

横を歩くひよりは薄く化粧をして髪を上にまとめている。

露になった首筋から、ひよりの部屋で嗅いだ甘い香りがした。
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