苺のアップリケ
「こよみ、先に行けば良かったのに。」

気が小さくて一人で遅刻なんか無理なくせにそんなことを言う。

言いながらつないだ手をぎゅっと握ったりする。

「どっちみち間に合わなかったよ。来るの遅かったしさ。」

ひよりを置いていくなんて考えられない。

通勤の人並みの中にチラチラと学生服が見えるけど、彼らも僕らと同じように急ぐ様子はなかった。

「ちょうど良かったんじゃない? これで校長の長い話聞かなくて済んだし。」
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