レンズ越しの君へ
「廉なら、昨日から事務所に泊まり込みで仕事してる……」


戸惑いながらも微笑むと、太一が目を見開いた。


「何でユイちゃんがそんな事知ってんのっ!?」


その言葉で、廉はあたしとの事を彼に話していないんだと確信した。


「今……一緒に住んでるの……」


少しだけ迷ったけど、本当の事を言った。


普段なら彼氏がいても、お客には絶対に言わない。


だけど…


太一は廉の友達だし、彼には訊きたい事もあったから…。


「え、マジで……?」


太一はすごく驚いたのか、さっきよりも目を大きく見開いている。


「えっ、ちょっと待って……。あのさ、それってユイちゃんが告白したんだよね?」


「違うよ……?廉があたしを口説いたの……」


あたしは首を小さく横に振ってから、太一の言葉を否定した。


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