レンズ越しの君へ
ある日、久しぶりに太一が店に来た。


「太一君!?」


黒服に言われたテーブルに行ったあたしは、太一の姿を見て目を見開いた。


「久しぶりっ♪」


「久しぶり!どうしたの?」


お酒を作りながら話し掛けると、太一はニッコリと笑った。


「うん♪てか、俺だけでごめんね!」


「何言ってるの!来てくれて、すごく嬉しいよ♪」


不安な気持ちでいっぱいだったけど、今は太一の明るさがあたしを救ってくれる。


「ユイちゃん、あいつと連絡取ってる?」


「えっ?あいつ……?」


突然の言葉に、思わず心臓が跳ね上がった。


太一との共通の知り合いなんて、廉しかいない。


「昨日久しぶりに廉に電話したのに、繋がらなかったんだよ!」


彼は不服そうにため息をつくと、お酒を一気に飲み干した。


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