レンズ越しの君へ
「この間、俺と買いに行った服にしろよ」


「うんっ♪」


笑顔で返事をして、廉に言われた服を取り出した。


「手伝ってやろうか?」


「え?」


「着替え」


「ちょっ……!廉のバカ!」


あたしのスウェットを脱がそうとした廉にドキッとして、思わず顔が赤くなる。


「はぁ?今更照れるなよ!しかも、何妄想してる訳?」


彼は意地悪な笑みを浮かべて、いつものようにあたしをからかった。


「もうっ!!イイから、あっちに行ってて!」


「はいはい……」


呆れた表情の廉の背中を押してベッドルームから追い出し、彼がリビングに入ったのを確認してから服を着替えた。


待ちくたびれて不機嫌になったのかと思っていた廉は、あたしの予想に反してすごく機嫌が良くて…


あたしは、益々嬉しくなった。


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