レンズ越しの君へ
「これは、あたしが勝手にやってる事なの。だから澪の為じゃないよ!」


「でも……」


「イイから!」


「ダメ!綾に最後まで迷惑掛けたくないもん!」


「澪……」


あたし達のやり取りを黙って見ていた店長が、深いため息をついた。


「わかったよ……」


「「えっ!?」」


あたしと綾の声が、綺麗に重なった。


「店長、あのっ……!」


困惑しながら口を開くと、店長は何かを吹っ切ったような苦笑を浮かべた。


「俺がいくら引き止めたって、どうせお前はそのうち辞めちまうんだ……。だったら、気持ち良く辞めさせてやるよ!」


店長の言葉を聞いたあたしと綾は、満面の笑みで顔を合わせた。


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