レンズ越しの君へ
綾の提案と店長の計らいで、あたしの退店は1週間後に決まった。


「但し、この1週間はフル出勤する事!それから、客には自分でちゃんと連絡する事!」


と言う、条件付きで。


あたしは綾と店長に何度もお礼を言ってから、店を後にした。


1週間後に辞められるのなら、予想よりも随分早い。


だけど…


もしかしたら、廉は不機嫌になるかな……?


それでも廉には納得して貰えない気がして、少しだけ不安になりながら家に帰った。


彼が帰って来るまで、まだ時間がある。


店長に言われた通り、常連客のうちの何人かに電話を掛けて、1週間後に辞める事を告げた。


それから夕食の支度の続きをしながら、廉の帰りを待った。


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