※ご主人様は完璧王子?※



自棄になってもう力いっぱいに手を揺すったときだった。


そのガチャガチャとした音で気付いたのか外に続くドアではなく、部屋の奥に繋がるドアから男が2人出てきた。


「おい、おきたぞ………」


「お、おれが、最初だからな!!」

「わかってるよ。」



その二人はぶつぶつと会話をしたあと、1人の男はまたドアの向こうへと消えた。


そして残された1人がぐるんと首をこっちにまわし、あたしをまるでなめるように下から上までじろじろと眺め、気持ち悪くにたにたと笑った。


その表情をみた瞬間、あたしは恐怖で歯がガチガチと震えてきた。

五感すべてが警報をけたたましくならしている。






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