※ご主人様は完璧王子?※




『ほんとに強引すぎ………』


肩にのっかったままの龍ヶ峰の頭を起こさないように押し返してみる。
……が、まったくびくともしないので諦める。


『もぉ……せっかくリムジンのったのになんにも出来ないじゃん……』


唇をとがらせながら肩に乗った龍ヶ峰の端正な横顔をなにげなく見つめた。


色素が薄く長いまつげはまぶたを品よく縁取っていて、
薄めの唇はかたく一の字の様に閉ざされていた。


『………やっぱ…きれい………』

そう、かっこいいとかじゃないんだ。
※綺麗※なんだ。


すると今まで寝ていたはずの龍ヶ峰がぱちっと目をあけ、あたしを見てにやっと笑った。


「なにが綺麗だって………?」


『ねっ、寝てなかったのぉッッ?!?!』





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