※ご主人様は完璧王子?※



『もぉ、だからぁ……』

すると弥生ちゃんはあたしの言葉を遮ってこう言った。


「別にその白山楓さんが編入してきたって誰もため息なんてつきませんわ。

逆に自分の知ってる人が入ってきたんだから、いつもの優花さんなら喜ぶはずですわ、仮に自分のことをすきな人であっても。


それに自分を取り合うシチュエーションだなんて普通の乙女なら誰でも楽しみたくなりますわ。
ちょっと小悪魔な自分に酔ってみたいは思いませんの?」



弥生ちゃんの言葉に思わず反論しようとしてすった息が喉につまった。(ってか自分に酔うって……)


でもよくよく考えればそうだ。
じゃあなんであたしはこんなにため息をついているんだろう……。


黙りこくったあたしの頭を弥生ちゃんはよしよしと撫でながらあたしに優しく問い掛けた。




「そこまで想が憂鬱そうな顔をしているのが、気になりますか……?」





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