※ご主人様は完璧王子?※




柔らかくて俺の腕にすっぽり入るほど小さな体が愛しい。

一回少し力を込めて抱き締めると俺は体を離した。



おどおどしながら上目遣いで俺を見る優花の顔はほんのり紅く、少し開いている唇が艶っぽい。



無意識にそこにすいよせられて俺はほんのすこし、唇に触れた。



刹那にも近い一瞬の出来事。

でも、確かに触れてしまった。




まだなにが起きたのかわかっていない優花をおいてとりあえず階段へはしりでる。


すると後ろから声がかかった。



『ま、待って!!』


思わず足を止める。振り返らずに次の言葉を待った。


『な、なんであたしなんかの凡人のためにこんなこと………』



そーだよな……、ほんと俺らしく無いよな。
ただの女のために必死になってさ。




でも、こんな俺も実は嫌いじゃないのかもな。


「てめーのためじゃねーよ。俺の名誉のためだ。」



ただ、素直じゃない俺はすこし嫌いだな。






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