※ご主人様は完璧王子?※
あれ……?と思っているといきなり後ろからふわっと抱き締められ、あの心地よい匂いがあたしを包んだ。
そして耳元で艶っぽいあの声が囁くように微かに響く。
「ばーか。
見てるトコがちげぇよ。」
「りゅ……龍ヶ峰……?」
「お前脳細胞大丈夫か?
他に誰がいるんだよ。」
「だってぇ…………」
嬉しすぎて思わず腰が砕けてしまったあたしを龍ヶ峰はおっと、とかいいながら抱き上げた。
「お前ずっと泣いてたの?
目が真っ赤だし、すごい腫れてる……」
「……っ!!…バカッッ!!!!誰のせいよ!!!!」
そういってふんっとそっぽをむくと龍ヶ峰はやれやれ、というようにため息を一つこぼしあたしをそっとベッドに座らせた。
そして真剣な面持ちで口を開いた。
「いいか………俺はいかさまなんてしていない。」
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