ひとひらの願い―幕末動乱―
「お前のことは何でもお見通しだ。…山崎に教えてもらっ」

「あっ!! ちょっ!! 何言ってんの、ぱっつぁん!!」

「あ、すまん」


永倉さんと藤堂さんの会話が少し続いて、私は口をぽかんと開けながら聞いていた。

何やらこの意味の分からない話は、ある人物……
しかも、私の知っている人が関わっているらしい。

あの何者なんだかよく分からない忍が……!


「すいません、お二方。今、山崎さんがどこにいるか、知ってます?」


物凄く苛々している心に身を任せて…いや、声に怒りを含ませて、そう言い放った。

何故か今の私は、副長くらいの怖いオーラを放っているようで、彼らは歩きながらも、私にあまり近寄らない。

いや、寧ろ彼らが一歩ずつ後ずさっている。


そこで、永倉さんが重々しく口を開いた。


「…って言ってもな。今は古高の仲間を探してる最中だ。俺は山崎の居場所なんて知らない」

「私も知りませんよ」


二人揃って同じことを言う……


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