ゴーストオブアイデンティティー
其れにはまず、此所を出なければならない。

露骨なまでに束縛に浸る此所は、ハコは、個性というより個人、果ては人という自覚さえ疑ってしまう獄門。


有る単体でしか亡くなってしまう。


「運命。私と…一緒に来て」


届くだろうか。此の言の葉が。


「何故?」

「貴方を救いたいから」

「何故?」


「貴方が此所に居るから」

「……運命は此所に居る」



首を振られた。横に。


「じゃあ、私が聞くわ。何故運命は此所に残るの?」


一時の空白。

その空白で、運命の周りの空気が変わった気がした。


「此所に居れば、また会える」


「……?誰…いえ。何に?」



「サチフク」


「…………………………」


ここで、其の名がでるか…


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