ゴーストオブアイデンティティー


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「G0、ロストしました」

尋常でない硝煙を吐き出すガットリング砲を構えながら、ヤヨは次のオーダーを待つ。


「…ひとまず、撤退しよう。」


「………闇風は?」

「生きているさ。あれくらいでは死にはしないさ。それにしても…やられたな」


やられた。まさか幸福に気付かれるとは。

いつ、気付かれたのだろう。


「いつだと思う?」

「…最初から、ではないですか?」

「………最初から、か」


ヤナセは銃口を向けられるのを見た時、生きた心地がしなかった。
銃弾が飛んできて、ヤナセは負けた。確信する。

所詮は人間。それだけで、恐怖の防波堤が決壊するのだ。

脳裏に二人とも殺される風景がよぎり、耐えられず、撃たせてしまった。


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