ゴーストオブアイデンティティー
ガルン、という重低音がビル下の方から聞こえ、バイクは疾走、やがて消えた。

そのバイクを見送った後、


病院に向けて、深く礼をした。

「有り難う御座います、闇風。ヤナセを逃がしてくれて」


すると、電源をきったはずの携帯電話が、振動した。何も言わず、通話を押す。

「別に?あの男の前にあなたの首持っていったら、どういう顔するか、ちょっと興味がわいただけよ。ヤヨ」

少し、ヤヨは笑った。

「名前、覚えていてくれたんですね」

「…じゃあ被験体No.84とでも呼んだ方が良い?」

「いいえ、ヤヨで。この名前結構気に入ってるんですよ?」


「あの男が付けた名前だから?」

「それもあります。ヤナセが付けてくれた名前。大好きです。それだけじゃない。これは私の「心」です」


「………」

闇風は、押し黙る。


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