ゴーストオブアイデンティティー
目から、何かが垂れた。拭う。

―――――血だった。

ゴーグルから滲み出し、頬を伝う。

「何?悲しいのかしら、私…」


闇風は涙を流さない。

流せないのだ。






闇風は、生まれながらにして、全盲だった。

闇に、産まれた。


眼球自体が異常であり、一切の光を通さないように出来上がっていた。


恐らくは、あれだ。









「アイツ」のせいだ。

アイツさえいなければ…

< 268 / 503 >

この作品をシェア

pagetop