ゴーストオブアイデンティティー
「……………」


女は、運命と視線の高さを合わせ、見つめる。貫くような、真剣な眼差し。何かを見抜かんとする、探求。

「貴女、名前は?」


「……………暗忌運命」


女は目を見開き、急に視線を泳がせ始めた。動揺。この名が、それほど重要なのか。


「暗忌…?……嘘……まさかでも…。あなた今、何歳?」


「十九」

「どこに住んでるの?」


「…ハコ……だった」

今は運命自身わからない。ただ気付いた時には、知らない場所にいた。記憶が曖昧なのだ。


「………箱…………誰と、住んで、たの?」






「…………サチフク」



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