青空応援歌

お弁当と陽斗

陽斗はどこに行くのかなんて告げないまま
私の前をずんずん歩いていた。

その背中に話しかける勇気がなくって。
もぉ・・・だめだな、私。

気がつくと目の前は一面青い空。
日差しは強いけど、時々ふく風が気持ちいい。

屋上だ。


「まぁとりあえず食おうぜー」


陽斗は日陰に座って、やけに上機嫌で菓子パンの袋を開け始める。

抹茶きなこいちごパン・・・?
想像すると気分が悪くなりそうなものを陽斗は
これでもかってくらい大きな口をして頬張る。

・・・おいしいのかな。


私もつられてお弁当のふたを開ける。
今日はお母さんの愛情たっぷりのパスタ。


「おぉ!うまそうっ。俺にもくれよぉ」


「陽斗はいっぱいパンあるじゃん」
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