狼と赤ずきん。



「・・・荒月 龍。好きな事は・・・。」


このとき荒月は絶対零度のような

微笑みを見せて教室を凍りつかせた。


「人を虐めること・・・。」


ガタンッ!!


荒川の席に座る音が教室中に響き


他の生徒の音よりも大きくハッキリ聞こえた。




辺りは静まり返っていて


生徒全員の顔が青ざめている。



2人組みの女子は荒月を


荒月に気づかれないようにチラチラ見ながら


ヒソヒソ話を続けている。




荒月は計画を達成したかのように


満足げに笑みを浮かべている。



冷たい空気が教室に漂っている中


先生はゴホンッと咳払いをして冷たい空気をかき分けた。



「白杉!次、お前でラストだぞ!」




そうだった!発表の事すっかり忘れてた!!


何も言う事決めてないよ!




私がもじもじしている間


隣では狼が足を小刻みに揺すり

いらだっている。


このままだと、食べられてしまう!


何か考えないと!!


考えようとすると焦ってしまい


何も考えられない。



どうしよう・・・。



< 12 / 266 >

この作品をシェア

pagetop