狼と赤ずきん。
「・・・荒月 龍。好きな事は・・・。」
このとき荒月は絶対零度のような
微笑みを見せて教室を凍りつかせた。
「人を虐めること・・・。」
ガタンッ!!
荒川の席に座る音が教室中に響き
他の生徒の音よりも大きくハッキリ聞こえた。
辺りは静まり返っていて
生徒全員の顔が青ざめている。
2人組みの女子は荒月を
荒月に気づかれないようにチラチラ見ながら
ヒソヒソ話を続けている。
荒月は計画を達成したかのように
満足げに笑みを浮かべている。
冷たい空気が教室に漂っている中
先生はゴホンッと咳払いをして冷たい空気をかき分けた。
「白杉!次、お前でラストだぞ!」
そうだった!発表の事すっかり忘れてた!!
何も言う事決めてないよ!
私がもじもじしている間
隣では狼が足を小刻みに揺すり
いらだっている。
このままだと、食べられてしまう!
何か考えないと!!
考えようとすると焦ってしまい
何も考えられない。
どうしよう・・・。