『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
茂の訴えを聴き、笑いながら父が言った。


茂の父『どうした?寝てる間に頭でも打ったか?』


その笑ってる父を見て、ムッとしながら茂が父に言った。


茂[少年]『いや、マジで本当に痛いんだって』


茂のその様子を見た母が心配そうな顔をしながら話した。


茂の母『大丈夫?』


茂の母『どれ?たんこぶ出来てない?』


母が茂の髪の毛を掻き分けながら茂の頭を見た。


茂の母『ん?…』


茂の母『貴方、これ何かしら…』


茂の頭に、僅かにチップを埋め込んだ時の手術の跡が残っているのを発見した母。


母が父にその傷を見せながら聞いた。


父がその茂の手術の跡を見て言った。


茂の父『え?…母さん、この傷がどうかしたのか?』

茂の父『ほら、昨日茂が公園のブランコから落ちて、3針くらい縫ったじゃないか』


茂の母『あ、そうだったわね〜何言ってるのかしらね〜私ったら。』


この時、実は、新道の管理下に有った茂達家族や、茂の身の回りの人々は新道により、瞬時に都合の良い記憶をリアルタイムで送られ、支配されていた。


その時、父がリビングの時計を見た。


焦る父。


茂の父『ヤバイ仕事に行かなきゃ、お前も速く学校に行けよ』


父が慌てて家から出る。


その様子を見た母も焦りながら茂に言った。


茂の母『ほら、茂も速く学校行きなさい。って、まだ着替えても無いじゃない』


急かされた茂は急いで着替えて、学校に向かった。


茂[少年]『行ってきま〜す。』


茂の母『は〜い。行ってらっしゃい。』


学校に向かって走る茂を見送る母。


茂の母『ふ〜…それじゃ、お皿でも洗いながら洗濯でもするかな〜…』
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