『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
茂の家の茂の部屋。


茂[少年]『まぁ良いか綺麗に成ったんなら、ラッキーじゃん』


茂が母にそう言った。


茂の母『そうね…何か腑に落ちないけど…』


茂の母が茂の部屋の壁掛け時計を見て、何を思い出すかの様に大声を出した。

茂の母『あ』


茂[少年]『どうしたの?そんな大声出して。』


茂の母『あ〜、もう4時(16:00)じゃない夕飯の買い物に行かなきゃ』


茂[少年](何だぁ〜そんな事かよ〜)


茂の母は夕飯の為に買い出しに出掛けた。


そして、茂も宿題を済ます為に、新品同様のパソコンの電源を点けた。


すると茂は、新品同様のパソコンの画面に“”のマークが有るのを発見した。

茂[少年](ん?メール?…)


茂[少年](“メールが来る”って事はやっぱ、前からこのパソコン使ってたって事か?…)


茂[少年](いや、むしろアドレスが同じなら“前のパソコン”へのメールでも届くか…)


茂[少年](…って何故、今、俺“前のパソコン”って言う発想が出たんだ?)


茂はこの時はまだ自身の前の記憶など持ち合わせては居ない。


勿論、自分が伝説のハッカーだった事や、世界一の頭脳の持ち主だった事も…


しかし、彼の“意思”や“記憶”とは反して彼の“頭脳”は、一速くこの事態の“異常”を感知した…


恐らく、それは茂の持つ、世界一の頭脳の“本能が招いた直感”っとでも言うのだろうか。

そして彼はその本能に従い、今日一日で起きた、数々の不可解な出来事への疑問を自分なりに考える事にした。


茂[少年](…先ずは情報の整理からだ…)


茂[少年](思い出せ…俺)


茂[少年](そもそも、何故このパソコンが可笑しいと思ったんだ?俺は…)


茂[少年](それは、今まで俺はこのパソコンを“ゲーム機”として利用してた記憶が有って…)


茂[少年](でも新しく買い換えた記憶も無いのに、パソコンが“真新しく成ってる事”への疑問…)


茂[少年](でも何故?…)

茂[少年](俺の持つ“記憶”と目の前の“現実”が一致しない…)


茂[少年](目の前の現実を信じるか?…)
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