『Memory's Messiah』（ダークファンタジー）

第9節『トモダチ』

Shellingが以前の茂の作戦とこれから自分達が“行うべき行動”について説明し始めた。


Shelling『先ずは、以前の君が書いた“シナリオ”を説明しないとね』


茂[少年]『以前の俺が書いたシナリオ？…』


Shelling『そう』


Shelling『以前の君が書いたシナリオはこうだ…先ずは、君が“Memory社”のコンピューターへ侵入し、そこから全ての“異変の元凶”を探る。』


Shelling『そして、“Memory社”のコンピューターへの“ハッキング”により、世界の異変を元に戻す。』

Shelling『最初の君のシナリオは、ただこれだけの“筈”だった…』


茂[少年]『“筈だった”？』


Shelling『ただ、その時の君には予想外の出来事が起き始めていた。』


Shelling『その出来事とは、“Memory社”へハッキングを試みた他のハッカー達の消息とそのハッカー達が使うパソコンが消えた事だった…』


Shelling『これが、君の唯一の“誤算”…』


Shelling『その事実を知った君は、“自分の身の危険”を感じた。』


Shelling『そして、君は僕を造り、君は“君自身”の記憶を犠牲にして、“次のシナリオ”に賭けたんだ』


茂[少年]『俺自身の記憶を犠牲に？…』


茂[少年]『ねぇ、何で“その時の俺”は異変が“記憶を操られている”って分かったの？』


茂[少年]『それって、“Memory社”にハッキングしてからじゃないと分からないんじゃない？』


茂[少年]『だって、それを調べる為に“Memory社”へハッキングしてたんでしょ？』


茂[少年]『君の言い方だと、“Memory社”に“ハッキングする前”に既に異変の元凶が“記憶”って分かってる見たいじゃん。』


茂[少年]『それじゃあ、君の話しの“つじつま”が合わないよ。』


Shellingは茂の言葉を聴き、疲れた表情を見せながら茂に質問を投げ掛けた。