『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
滝沢『おい』


滝沢『俺がMemory社に行くのは良いけど、リン達までMemory社に行かせるのには、俺は反対だ』


茂『大丈夫だよ、俺は彼女達に強制はしない。』


茂『むしろ、彼女達の方が“勝手に”ついて来るんだから。』


滝沢『リン達が勝手に?…』


滝沢『何で、そんな事が言い切れるんだ?』


茂『言ったろう?…俺は、一度会えば対外の奴の考えが“計算出来る”って』

滝沢『確かにそうかも知れないけど、君はまだ一回もリン達に“会ってない”じゃ無いか』


すると、その質問に、薄ら笑いを浮かべながら茂は言った。


茂『フッ…俺のダチをナメるなよ』


滝沢『茂の友達?…』


滝沢『“Shelling”か』

茂『あぁ、そうだ』


茂『“Shelling”は一度、世界中の全ての人間の記憶を、新道のコンピューターからコピーしたんだ…』


茂『その中には当然、君や、君の彼女達も含まれている。』


滝沢『確かにそうかも知れないけど…』


滝沢『でも、それって10年も前だろう?』


滝沢『いくらShellingが世界中の人の記憶を見れたとしても、その頃はまだ、俺とリンは出会ってすら居ないんだよ』


茂『確かにな…』


茂『でも…そんな不可能を可能にしちまう程の奴だったんだよ、Shellingは。』

滝沢『………』


茂『だから言ったろう?
アイツは、“神”にも等しい力を手にしたって…』


茂『アイツは…Shellingは、俺達“人間”では到底無し得ない程の計算力で、未来を“予知”してみせたんだよ。』
< 174 / 207 >

この作品をシェア

pagetop