『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
新道『時は2320年…戦争の傷痕は癒え、人々は平和に暮らしていた。』


新道『そして、私は咲を生き返らせる研究に明け暮れた。』


新道『だが、私が咲生き返らせる研究の中で最も困難を極めていたのは、咲の“記憶”だった…』


新道『私は元々、“生命”の研究もしていたので、クローン技術を更に進化させて、新たな“ニュークローン技術”を開発していた。そのニュークローン技術により、造られたクローン自体が赤ん坊の姿からでは無く、造る側の意志により、好きな年齢からそのクローンを造る事が出来た。その“ニュークローン技術”のお陰で、咲の体は出来たが、それだけでは、ただ咲の姿をした“人形”に過ぎない。』


新道『そこで、私が目に付けたのは人の魂とも言える“記憶”そのものだった…』


新道『咲を失った後、私は咲の血液は採取していたが、亡きがら自体は火星に残していた為、咲の記憶を司る咲の“脳”が無かった…』

新道『それに、当時、私がその亡きがらを取りに行ったところで、咲の亡きがらからは“脳”を取り出す事は不可能…』


新道『そこで考えたのが、私自身の脳の中に有る“咲の記憶”をデータ化し、それをベースに咲の記憶を造る事を思い付いた。』
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