緊急HR
『離して!!離してよぉ!!!』

俺に後ろから胴にしがみつかれた上沢は、ジタバタと暴れ出した。

『お前…っそんなことしたって西村は帰ってこないんだよ!!!』

『わかってるよ!!
だからコイツも殺す!!!』

『う"…う"ぅ…』

柏倉はその場にうずくまった。

俺が上沢を引き離した弾みでメスが体から抜かれ、出血量が増している。

上沢は、床に伏した柏倉を鬼のような形相で睨みつけた。

西村を失った彼女の脳内は、もはや正常ではなかった。

俺はそんな彼女をなだめるのに必死だった。

『殺すって…なに言ってんだよ!!!
それじゃコイツと一緒だろ!!?』

『うるさいっ!!!
麻里が…麻里が殺されたんだよぉおぉ!!!!!!』

しかし、それでも上沢の絶叫は止まらなかった。

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