緊急HR
『うっ!!』

上沢は俺の膝の関節部分に蹴りを入れた。

ゴツ、と鈍い音がして、その痛みから反射的に彼女を離してしまった。

上沢はその隙を逃さず、メスを振り上げ柏倉に近づいた。

『おいおいおい…!!』

俺はマズいと思い、すぐさま彼女の腕を掴み、無理矢理引き戻した。

『ほら、行くぞ!!』

『やだ!!!』

『…いい加減にしろよ上沢!!!』

彼女の感情の高ぶりに、苛立ちを覚えた。

そんな俺のシャツを引っ張り早く退避するよう促す中島。

『おいなにやってんだ
弱ってる間に行くぞ!!!』



俺らがそうやってモタモタしているせいで


ついに命の危機が訪れた。
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