恋色模様

過去の恋

「私ね、前の学園で中等部の時に、光輝に出逢ったの。

光輝は私たちみたいにお金持ちじゃない人で

頭脳で学園に入ったの。

光輝はね、真っ直ぐな人だった。

私達は次第に仲良くなって、付き合うようになった。

その頃の私はもっと明るかった、って自分で思うの。

けどね、光輝のお父さんの会社が倒産して、多額の借金をしたの。

私が、借金私の会社が立て替えてあげるよ?っていったけど、

光輝は、人に金は借りねぇ主義なんだって、キラキラの笑顔で言ったの。

光輝のお父さんは借金取りに追われて

光輝のお母さんはそれが嫌で光輝のお父さんと離婚して光輝はどっちかについて行くなんて無理だった。

光輝は誰より家族を大切にしてきた。

なのにその家族がバラバラになって……

結局、光輝はお父さんのいる家に残った。

父さんは一人じゃなんも出来ねぇから俺が父さん支えてやんだって、その時の光輝の笑顔はキラキラの笑顔じゃなくなってた……。

それがどうしても悲しかった。

光輝は家が大変なのに、私と一緒にいる時間も作ってくれて……すごく辛くて、ある日ね光輝泣いてたの。

私すごくつらくて、こう言ったの。

それ以上泣かないで?

私も辛いよ…、って。

そしたらね、俺はお前以上にもっと辛ぇよって言われちゃった……
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