メモリー
『…んなのどうでもいいよ!
つうか離せ!!』
俺は乱暴に手首を振り払うと、屋上を後にした。
すこし乱暴すぎたかも知れない。
けど、笑を傷つけたんだから、容赦しない。
俺は、走った。
今までにないぐらい走った。
それでも笑は見つかんなくって。
このまま笑に、二度と会えないような気がした。
…笑。
俺に絶望したか??
俺のこと嫌いになったか??
頼むから俺から離れないでおくれ。
涙が出てくる。
傷つけたのは俺なのに、なんだか格好悪かった。
――そんな風に思った時だった。