メモリー

「だいたいあなたは…」
『最後に…、いい思い出作りたいの!!!!』


あたしは怒鳴っていたお母さんより、何倍も大きい声でお母さんを遮った。


お母さんは怒鳴るのをピタっとやめた。


「そっか…。そうよね。笑は走るのが大好きだったものね…。いいわ。走りなさい…。」


さっきの態度と一変し、すんなりと許してくれた。


そして力なく笑うと、フラフラっと立ち上がってどこかへ消えてしまった。




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