メモリー

『そんなことないよ。誰もあたしのことなんか待ってない。』

「いや、待ってるって。」

『そんなのわかんないじゃん。』



…桜井くん。

困らせてごめんね。



でも…バカなあたしは、これしか自分を守る方法が見つけられないんだ。



「絶対、待ってる人はいるって。」


…なんでそんなに、あたしのために必死になるの??



『だからそんなの…』


わからないじゃん。
そう言おうとしたあたしは、桜井くんによって遮られた。



「少なからず、俺は前田のこと待ってたし。」



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