メモリー
気になった俺は、周りに違和感がないか、辺りを見回した。
そして、発見したのは教室からくる、何本もの視線。
…あぁ、なるほどな。
笑が学校にくるだけでも珍しい。
なのに、俺が公の間でノロケてたから。
注目を浴びてしまったようだ。
「てか、前田さん超可愛くね??
俺タイプなんだけど。狙っちゃおうかな」
どこからか、高めな男の声が聞こえる。
その言葉を聞いたとたん、頭に血が上った。
…ふざけんな。
前田は俺のだ!!
俺は無意識に前田の手を握り、声を張り上げた。
『俺、前田と付き合うことなったから。手ぇだしたらぶん殴るから、そこんとこ宜しく。』
一瞬、教室が静まり返る。
まぁ、予想通りの反応。
だけど、それも一瞬で。
すぐにざわめき初めた。