あなたしかいない。


それから私は全く
知らない人だった仁に、
泣いている訳を話始めた。


仁は真直ぐ前を見つめて、
何も言わず聞いてくれた。


初めて会ったから。
屋上に居たから。
煙草の匂いがしたから。

―仁に話せた。

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