REVERSI
「吉沢さん」
「はっ、」
本当に唐突に、背中にポンっと手を置かれた感触。
飛び上がるほど驚いたのはまるで予想外だったから。
振り向いた先には、
「あ、れ」
ちょ、なんで、
「ははあ、驚いてますねー」
にっこりと毒のない笑みを返されると、驚きも消化出来ずに迷う。
目の前には、以前僚に紹介されたクリニックの先生。
「お見送りですか?違いますね。同士がいると心強いです」
え、と、意味が、
「散々、たきつけられましたからね。本当、貴子さんは女にしとくのは勿体ないですよ」
眼鏡の奥の瞳が優しく細まるのに、あたしはどんどん混乱する。