REVERSI

「君にはいつも驚かされるな」


溜息と共に笑みが零れた。


「俺は、」


何となく、本当になんとなくだけど、また謝られる、そんな気のする声。


「聞きたくない」


それなら、遮るしかない。


「…聞きなさい」

「聞いても、何も変わらない。僚が好き、何度でも言うだけ。あたしってば随分アツイ女だよ。今知った」


勝手な事言ってるのも分かってる。目が熱い、泣きたくない、なんで僚の前じゃ涙ってこんなに簡単に流れるんだろう。


「あたしだって初めて出会った時のあたしじゃない。変わるものもあるし、忘れる感情だってある」


髪型だって、化粧の仕方だって、経験も、卑怯になる事も覚えた。


「だけど、あたしがあなたを求めてるんだから仕方ないじゃないか」


尤も、こんな台詞吐く日がくるとは思わなかったけれど。



< 411 / 423 >

この作品をシェア

pagetop