REVERSI

僚があたしの目元をゆっくりなぞる。


あたしはこの瞬間を掴むのに精一杯で、瞬きさえも出来ない。



遠くて、近くて、だけど遠くて、



出会って、手放して、気付いて、抑えた、



この感情が、




目の前の僚だけが、




愛しくてたまらない。




僚が笑う。



小さな声が、あたしにだけ聞こえるように動いた。



好きだ、と、もう一度。



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